ごあいさつ
国立国会図書館は、国立国会図書館法第8条に基づき、昭和24年(1949)以来、日本の法律の索引である『日本法令索引〔現行法令編〕』を冊子の形で毎年刊行してきました。この索引は、省令以上の現行の法令を対象としており、各法令の改廃経過が一覧できること、法律が成立した国会回次が示されていること、事項別に基本法令と関係法令が一括して配列されていること、さらに年別索引・五十音別索引が付されていることが特色となっています。
これとは別に、わが国の近代法制の沿革系譜をたどるとともに、現行法令の正確な把握に資するため、昭和44年度から廃止失効法令の索引編纂事業を開始しました。昭和46年度には館外学識経験者からなる「日本法令沿革索引審議会」を設置しました。この事業は、これを2期に分け、第1期は明治19年(1886)の公文式以降を対象としました。こうして昭和58年(1983)12月、『日本法令索引〔旧法令編〕』第1巻事項別索引(上)を刊行し、続いて同第2巻事項別索引(下)を昭和59年12月に、同第3巻五十音別索引を昭和60年12月にそれぞれ刊行しました。
その後、『日本法令索引〔現行法令編〕』および『日本法令索引〔旧法令編〕』の情報を統合し、時代の要請に応え、データベースの構築に取り組み、平成16年(2004)6月、『日本法令索引』データベースとして供用を開始しました。これに伴い、『日本法令索引〔現行法令編〕』の冊子での刊行は休止しました。
一方、残る第2期事業については、昭和60年(1985)以降、慶応3年(1867)から明治19年(1886)までの旧法令(太政官布告等)の沿革索引編纂作業を進め、『法令全書』に掲載されたすべての法令のほか、『太政類典』、『開拓使布令録』、『公文類聚』等70点の資料から全部で約4万4千件の法令を採録しました。これらの法令に関する情報は、冊子の形態を経ることなく、『日本法令索引〔明治前期編〕』データベースとして構築し、ここに供用開始の日を迎えることができました。第1期および第2期の事業が完了したことにより、『日本法令索引』データベースおよび『日本法令索引〔明治前期編〕』データベースの2つのデータベースを使用することで、明治以降のわが国のほとんどすべての法令の検索が可能になりました。
この事業の達成のために調査審議を賜りました日本法令沿革索引審議会の歴代の委員の氏名をここに掲げまして感謝の意を表する次第です。
平成19年1月 国立国会図書館調査及び立法考査局
日本法令沿革索引審議会委員
第1回(昭和47年3月14日)以降
就任順(就任時が同じ場合は五十音順)
- 石井 良助(東京大学名誉教授)
- 入江 俊郎(元最高裁判所判事)
- 岩倉 規夫(元国立公文書館長)
- 鮫島 眞男(元衆議院法制局長)
- 杉山 恵一郎(元参議院法制局長)
- 西澤 哲四郎(元当館専門調査員)
- 馬場 義続(元検事総長)
- 林 修三(元内閣法制局長官)
- 奥野 健一(元最高裁判所判事)
- 今枝 常男(元参議院法制局長)
- 川口 頼好(元衆議院法制局長)
- 津田 實(元法務事務次官)
- 利谷 信義(東京家政学院大学長)
- 小玉 正任(元国立公文書館長)
- 角田 禮次郎(元内閣法制局長官・元最高裁判所判事)
- 和田 文雄(元衆議院法制局長)
- 筧 榮一(元検事総長)
- 浅野 一郎(元参議院法制局長)
- 浅古 弘(早稲田大学大学院法務研究科教授)
- 岩谷 十郎(慶應義塾大学教授)